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9.「糖尿病の薬剤治療の難敵~低血糖と体重増加」

スルホニル尿素薬のところでも触れましたが、低血糖と体重増加があるとその糖尿病治療はやがて立ち行かなくなります。血糖値がコントロール基準まで達していなくても、その薬剤を増量することはもはや出来ません。また、最近では低血糖や体重増加を招く治療の在り方がかえって患者さんの死亡率を増加させてしまうケースがあることが「ACCORD試験」というとても有名な試験でわかっています。

以前は、血糖値は正常範囲に向けて下げれば下げるほど結果が良くなり患者さんのためにもなるはずだ、という今では誤った考えを程度の差こそあれ多くの医師が直感的に抱いていたはずです。この試験はこれを根底からひっくり返したのです。目標血糖値に向けて絶えず薬剤量を増量する、種類を追加する、だめならインスリンまでも半ば自動的に付け加える、といった内容が死亡率を増加させたのです。これは本当に危険な本末転倒です。

現在では、低血糖を起こさない方法が質の高い優れたやり方であるとして、平均値であるところのHbA1c値のみをひたすら追求する姿勢はなくなりつつあります。血糖は実は食事関連以外でも1日の間で大きく変動していることが分かっています。それでは、低血糖はもちろん高血糖の時間帯を見つけ出すにはどうしたら良いのでしょうか。これに対する答えは極論すれば、たくさんの回数自分で血糖を測定してみる(自己血糖測定といい、その機器類やチップは病態によりますが医療保険が適用されます。指先を穿刺します)ということです。さらに現在では、2週間にわたって15分おきに血糖値を教えてくれる、上腕につけっぱなしでいい小型の装置も出てきました。いい時代になってきました。