肥満症・メタボリックシンドローム
✅ 生活習慣病の諸悪の根源
種々の生活習慣病のほとんどを生み出す元凶です。しかしながら、対応するのはとても困難です。なぜなら、私達の現代の暮らしのあり方そのもの(飽食と食欲中枢の狂い、運動・身体活動不足、ストレスなど)があらゆる人を肥満へといざなっているからです。この、あまりにも自然な流れにある程度逆らって生きる意識を持たないと肥満症の蟻地獄(メタボリックドミノ理論)から逃れることはできません。
✅ 肥満度分類
BMI(kg/m/m)
判 定
18.5 未満
低体重(や せ)
18.5~25 未満
普通体重
25〜30 未満
肥 満(1度、軽 度)
30〜35 未満
肥 満(2度、中等度)
35〜40 未満
肥 満(3度、重 度)
40〜
肥 満(4度、超重度)
BMI :(Body Mass Index;体重kg/(身長m)の2乗)
肥満度は1度から4度に分類されますが、ここではわかりやすく、軽度、かなり、重度、超重度とも併記しました。日本でも若年者を中心に1度の肥満は当たり前に見られるようになってきました。
✅ 目標となる体重について
BMI に基づいた絶対値体重によるものは大抵無理があります。理想的なBMI値である22や、肥満の入り口の値である25を目標にすると、今の体重との隔たりが大きすぎることが多いのです。
現実的な減量目標としては、3~6か月で3%程度の減量を用います。体重60 kg の方で、約2 kg 程度です。体重が重めの方は約3 kg 程度になるでしょう。
また、20歳前後の若くて余分な脂肪が付いていなかった頃の体重 A kg を一つの基準として、中年期以降に、A + 10 kg 以内くらいに抑えるのも良い指標になります。
さて、上記のように2-3 kg の減量に成功したあとがまた大事になってきます。その体重で継続的に維持できるかどうかです。減量直後には体重はもとの重い体重に戻ろうとします。一定の恒常性維持の力が働くようです。その力がなくなると、減量できた体重で維持しやすくなります。減量して維持が無理なくできるようであれば、さらに次の減量目標に挑戦しやすくなります。
✅ 減量の方法と効果
・食事療法 : 標準体重(BMI 22となる体重, kg)x 25 kcal /日以下を目安に摂取エネルギーを設定します。
・運動療法 : 有酸素運動を行います。レジスタンス運動(筋力トレーニング)は減量中の骨格筋量の減少を抑制し、代謝指標や血圧値を改善します。
体重1〜3%の減少で、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、HbA1cなどに有意な改善が生じてきます。3〜5%減少すると、さらに血圧などにも改善がみられるようになります。
肥満合併糖尿病患者では、体重がコンスタントに2〜3 kg 減少すると、糖尿病薬を1剤使用せずに済む(1剤節約できる)状態になることをしばしば経験します。
✅ 減量の副作用対策
減量する際には、残念ながら、内臓脂肪や皮下脂肪だけではなく、筋肉量が軽度ではあっても減少すると考えます。骨格筋量が減ると代謝量が減って、潜在的に太りやすい状態になりますし、高齢者では筋力の低下・歩行力の低下(サルコペニア)となって表れやすくなります。このため、減量する際には、とくに安全面には注意を払いつつ、軽めの筋トレ(レジスタンス運動)を併用することが望ましいのです。
✅ メタボリックシンドローム - 死の四重奏
今では多少のおかしみをもってメタボと呼ばれていますが、その意味するところは「死の四重奏」の方がしっくりときます。メタボリックシンドローム が定義される前は、同じような状態を意味する一つの呼び名として死の四重奏が使われていました。健康寿命を短くして、死期を早める4条件が腹囲(内臓肥満)、血圧、血糖、脂質で表現されると言うわけです。肥満の概念と後者3つを結びつけることにより、より正確に、より包括的に肥満の持つリスクを表現できるようになったわけです。また、メタボリックシンドロームは、体重(全身の脂肪量を反映)で規定される肥満とは違い、内臓脂肪量の程度に重きをおいた概念としてとらえることもできます。
✅ メタボリックシンドロームの診断基準
1. 必須項目 - ウェスト周囲径 : 男性 85 cm 以上、女性 90 cm 以上
2. 上記に加え、以下の3項目のうち2項目以上を満たすもの
(1) 脂質異常 : 中性脂肪 150 mg/dL 以上、かつ/または、HDLコレステロール 40 mg/dL 未満
(2) 血圧高値 : 収縮期血圧 130 mmHg 以上、かつ/または、拡張期血圧 85 mmHg 以上
(3) 高血糖 : 空腹時血糖値 110 mg/dL 以上
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